ナツメグ & メースを使いこなす(薬効・相性の良い食材)
メースはナツメグよりも繊細な料理に使いたいスパイス
インドのブレンドスパイス「ガラムマサラ」やフランスの「カトルエピス」に配合されているナツメグ。
スパイスでは珍しく高木の果実からとれる香辛料で、インドネシアやスリランカ等の高温多湿な風土で栽培されています。海の香りがする所でなければ育たないとも言われていて、何だか素敵な景色が目に浮かんでくるスパイスです。
ナツメグの刺激的な甘い芳香がエキゾチックと表現される所以は、ナツメグという名前からも分かるように、英語でNutは「豆」を表し、megは「ジャコウ、ムスク」を表します。
果実はアプリコットに似ており、中にある茶褐色の丸く大きな種がナツメグで、その周りを覆っているレース状の鮮紅色の仮種皮がメースです。
ナツメグもメースも、香りや用途にあまり違いはありませんが、メースの方が、香りや味などすべてにおいて繊細なので、お菓子や淡い色のお料理には、ナツメグよりもメースがより向いています。
ナツメグ&メースの成分
*ニクズク科の常緑樹*
ピネン、カンフェン、ジペンテン、ゲラにオール、オイゲノール他
ナツメグと言えばハンバーグ…….と言うぐらいに、日本人ではご家庭での所有率がとっても高いスパイスの1つです。
ハンバーグやロールキャベツにナツメグを入れる方が多い一方で、「なぜナツメグをいれるの?」ということには以外と無頓着で、ハンバーグという馴染み深いレシピから家庭に広まって定着したスパイスでもあるようです。
ナツメグはお肉だけでなく、蒸し野菜や焼き菓子にも大活躍してくれますが、風味が強いのが特徴ですから、ごく少量を使うこと、他のスパイスとブレンドして使う事が、ナツメグを上手に使いこなす秘訣です。
スパイスコーディネーターの食薬ノート
漢方では、下痢止めや腹痛、乳汁欠乏、消化不良などに処方されると言われていますが、日本では古くから、芳香性健胃剤として使用されており、胃薬の太田胃酸にも調合されています。
ナツメグ&メースの効能・美容効果
- 下痢止めや腹痛、乳汁欠乏、消化不良
- 芳香性健胃効果・消化促進効果
ハンバーグやミートソースなど、脂分の多いひき肉料理に利用すれば、臭み消しだけでなく、消化促進などの効果も期待できます。
その他、抗菌作用もあると言われており、インドなどでは湿疹などの外用薬にも利用されているそうです。
ナツメグ&メースと相性の良い食材
ナツメグは、ソースやトマトケチャップの主要原料とされていることから、ハンバーグ、ミートローフ、ミートソースなどのひき肉料理には欠かせないスパイスであるのはもちろん、これらのソースをかける料理とは、なんでも相性良く使えるスパイスです。
私は、焼きそばなんかにもナツメグを入れて楽しんだりしています。
エキゾチックな強い芳香が肉の臭みをマスキングしてくれるので、下ごしらえ時に素材に良く揉み込んで利用します。
タマネギと一緒に利用するとより消臭効果が得られます。
ナツメグ・メースの適合食材
- ハンバーグ、ミートローフ、ミートソースなどのひき肉料理
- ソース焼きそばなどのソースの味付け料理
- ロールキャベツなどキャベツ料理
- パンやクッキーなどの焼き菓子など
- グラタンソースやシチュー、チャウダーなどの卵・バター・ミルク・生クリームなどを使う料理
ロールキャベツでもお馴染みのナツメグですが、キャベツを加熱調理する時に生じる含流化合物(最近注目されているフィトケミカルまたはファイトケミカル)の臭みを消してくれると言う特徴があります。
ひき肉とキャベツ両方の臭みを消してくれるので、ロールキャベツの為のスパイスと言っても過言ではありません。
また、加熱するとナツメグの刺激臭が減少し甘さが強調されることから、ベーカリー類やお菓子にも利用できます。
お肉の臭みを消してくれるということは、動物性の脂分の臭みを消してくれるということなので、卵やバター、ミルク、生クリームにも良く適合します。
グラタンソースやシチュー、チャウダーにもナツメグを加えてみてください。