オリーブオイルのグレード
石鹸を手作りするようになって、早11年に。
スパイスを漬け込んでおいたオリーブオイルを中心に、固さや泡立ちを出すために、ココナッツオイルやパームオイル、パームカーネルオイル、カカオバター、ライスブランオイルなどなど、基本的には食べられるエディブルオイルだけを使います。
100%オリーブオイルで作るマルセイユ石鹸は、一見魅力的ですが、作る工程で固まりにくかったり、使っている時には硬さが足りなかったりと色々手間がかかるので、オリーブオイルはだいたい60%くらいにとどめています。
そんな「スパイス石鹸」作りに欠かせないオリーブオイルなのですが、実は、色んなグレードのものがあるんです。
大きくは3つのグレードに分けられます。
- 一番搾りがエキストラバージンオイル
- その下のグレードがピュアオリーブオイル
- そして以外と知られていないもう1つのグレードがポマスオリーブオイル
ポマスという名前を初めて聞く方も多いかもしれませんが、輸入食材店などで700-900gが500−600円で格安なものは、たいていポマスオリーブオイルです。
石鹸を作る時に、化成ソーダーとの鹸化率をオイルの種類によって割り出さなければいけないので、石鹸作りには、ピュアオリーブオイルを使用しなくてはなりません。
そのため、私は石鹸を作るようになって初めて、このポマスオリーブオイルの存在を知ったんです。
バージンオリーブオイルは、皆さんもご存知のとおり、オリーブの実を圧縮したあと、洗浄や濾過、脱酸、脱色、脱臭などの精製を行わない未精製のオイルなので、オリーブの風味が一番楽しめる、栄養価も高いオイルです。
これを精製して、少量のバージンオイルを混ぜたものが、精製オリーブオイル、すなわちピュアオリーブオイルです。
この2つのオイルは、果実を溶剤を用いずに搾らなければならないというルールにもとづいて圧搾されたオイルです。
ポマスは、その搾り粕に残っている油を溶剤を使って抽出したオイル
なので、お値段も格安です。ラベルに「ピュアオリーブ」とうたわれていても、それは単なる商品名で、実際にはポマスオリーブオイルであることも沢山あります。
ポイントはお値段、安すぎるオリーブオイルはポマスの事が多く、購入する際は裏のラベルを良く確認してみてください。
オリーブオイル以外の植物油が混ざっていたりすることもあります。
特に石鹸を作る際は、オイルごとに鹸化価が違います。
どんなオイルを使うにせよ、混ざり物の無い100%のオリーブオイルを使いたいですよね!
私は食事用も、石鹸作りにも、ポマスは使わないようにしています。
それは、ポマスがグレードが低いからではなく、溶剤を使ってオイルを抽出しているからです。
せっっかく栄養価の高いオリーブオイルを使うのですから、そこはもう1つ慎重に・・・圧搾されただけのオイルを使いたいなと思うのです。
ハンドメイドソープを作る場合は、ピュアオリーブオイルを使うことをお薦めします。
エクストラバージンは脱酸処理をしていないため、石鹸の酸化がピュアオリーブオイルで作った時に比べて非常に早く、茶色く変色するのが早いためです。
バージンオイルは高額ですし、油の効能を理由に良いオイルを使うという観点からするとピュアオイルと比べてそれほどフォーカスする点もないように思います。
むしろ酸化が早いことを考えると、バージンオイルは新鮮なうちに食する方がいいと思います。
ちなみに、ピュアオリーブオイルで作った石鹸は、きれいなクリーム色になります。バージンオリーブオイルを使った場合は、少し緑がかったような白色になります。
ピュアオリーブの石鹸は元気なかわいい感じ、バージンの方は、はかなげな色白の美人さんという感じです。
手作り石鹸の本などには、ポマスの利用をすすめているものも多いです。それは、不けん化物の保湿成分が多く含まれるため、型入れまでの時間が短縮できるからのようです。
先日、石鹸作りの会に参加して下さった方がピュアオイルと間違えてポマスオイルを使って100%オリーブ石鹸を作ろうとした所、型入れまで24時間を覚悟したにも関わらず、1時間で型入れできてしまい、よくよく調べたらポマスオイルだったことが判明した!というメールを下さったので、オリーブオイルの種類について簡単に書いてみました。