秋分(しゅうぶん)とナツメグ – 二十四節気のスパイス

9月23日は秋分(しゅうぶん)
鮮やかな黄緑色の稲穂の向こうに木崎湖が見える写真と供に、信州の木崎湖畔・稲尾みやま農園さんから新米のお便りが届きました。
もう9月も終わり、新米の季節です。
今年も酷暑、自然災害も多く大変な夏でした。
9月中旬を過ぎてもまだまだ暑くて…ほんとッッ!!もう限界だよぉっ…と思っていたら、昨日から急に涼しくなって、夕刻にお外をフラフラしていたら、すっかり冷え切ってしまいました。
今朝はうろこ雲から朝日がさして、秋らしい空に……
秋の気配を少し感じながら本日「秋分」を迎えました。
太陽は真東から出て、真西に沈み、昼と夜の長さが等しくなる今日を境に、エネルギーは「陽」から「陰」の気へと変化します。
漢方養生学では万物すべてを「陰陽」のバランスでとらえます。
- 陽気が盛んな春夏は「陽」
- 秋冬は「陰」
- 外交や上昇など外向きのエネルギーは「陽」
- そして内に向かうエネルギーを「陰」
秋に大切なのは夏に発散させていた「陽」の気を鎮め、内なるエネルギーを身体の中で育てること。
気を安らかにし「志」を内に収めて陰気を養います。
夜空の月を見ながらゆったりとした時間を過ごすのも秋の楽しみ。
月は、夏の疲れを癒してくれる自然からの最高の贈り物なので、秋らしい涼しい風を感じながら、夜は窓を開けて虫の声を聞きたいなと思います。
日中はまだ動くと汗ばむような陽気、夏野菜もスーパーには沢山並んでいますが、養生的には体を潤す秋の味覚を食卓に取り入れていきます。
秋の味覚は、わたしたちの舌だけでなく身体も心も潤してくる食材たちです。
少しずつ涼しさが増してくると、夏の疲れが出てきますので、いつもより少し「おうちごはん」に力を入れて、ゆっくりとリチャージをしたいなと思います。
そんな「秋分」の頃にお薦めのスパイスは「ナツメグ」!
ナツメグがオススメ – 秋分の頃
ナツメグは、身体を潤す秋の味覚、木の実(ナッツ類)と同じナッツ臭を持っています。
漢方では、下痢止めや腹痛、乳汁欠乏、消化不良などに処方されると言われており、日本では古くから芳香性健胃剤として使用されています。
胃腸薬薬の太田胃酸にもフェンネル(茴香)と共に調合されていますので、胃腸の調子がおかしいなと思ったら、フェンネル小匙1杯とナツメグ小匙1/5杯をハチミツで練ってお白湯で飲むのもオススメです。
もちろん、お料理で使うのが一番有効的!
白ごまや、くるみなどと一緒にお料理に使ってみると、ナッツ臭を強めてくれておいしさがUPします。
ビタミンBを沢山含む豚肉なども夏の疲れがでる今この時期に食べたい食材なので、ナツメグを臭みけしとして使ったり、小匙1/5程度、ごく少量を味噌などにまぜて、豚の生姜焼きなんかを作っても美味しいとおもいます。
私は、アーユルヴェーダーでは「火」の体質をもっているので、まだまだ身体の中が熱をもっていて冷めません。
ですので、茹で豚は根菜類などの温野菜と合わせてサラダに、秋の味覚ナッツ類も沢山いれて、ゴマダレドレッシングで「いただきまーす!」
ナッツ類にはマグネシウムも豊富なので、夏から秋にかけて起こる筋肉の収縮や足のつり、ぎっくり腰、ぎっくり首などの予防にも有効です。
風水では9月は1年中のパワーを吸収する月なのだそう。
なるべく夜はスマホなどから離れて、夜空の月を眺めながら夏の疲れを癒やしつつ自分の内なるパワーを感じられたらいいなぁ—と思っています。